犯罪を認めている事件では、情状がポイントになります。

情状はどんなものがあるのか。典型的なものをあげてみます。

・犯行を加害者が認めているか。

・被害者のある犯罪である犯罪か

・示談ができているか。

・被害の程度がどうか。

・被害者との関係

・加害者の環境

・加害者の犯行状況

・被害者に落ち度や原因があるか

・加害者の生育歴

・前科前歴の有無

・家族の状況

・仕事の状況

・生活環境住所の有無や指導監督者の有無

・反省状況

・親族との関係

・被害者への謝罪

・社会的影響

・再犯の可能性があるか

こういった事情があるかないかまたは、示談等をして有利な事情を作るのが認めている事件での弁護士の仕事になります。

示談等について(和解契約)

 情状の中で重要となるのが、被害者がいる犯罪での示談です。

 犯罪を認めている場合、弁護人の役割の中で最も重要とも言えます。一部争いがある中で示談をすることも無くはないですが、レアケースといえますし、示談の難易度は上がります。

 

 告訴がなければ起訴できない犯罪(親告罪)であれば、示談のなかで告訴の取り下げ等をすれば、実質的にほとんど処罰を受けずに済むこともあります。示談がまとまり、不起訴になれば、前科にはなりません。

 

 示談というと、お金で問題を解決することに、感情的な抵抗を持つ方もいますが、示談の有無で結論が大きく変わります。

 また、被害者の方にとっても、被害を受けたとしても、示談ができなければ、被害を回復するために、自分で訴訟等の法的な手続を取るしかありません。そして、それは残念なことに簡単なことではありません。決して示談は、犯罪をしてしまった人だけが有利になるのではありません。被害を受けた方にとっても、簡易な方法で被害の回復を受けることが可能になりメリットがあります。

 示談の方法や示談のやり方に決まった方法や正解はありませんが、連絡の取り方、話のもって行き方で、結論が変わってしまうこともあります。

 示談をするとしてもその中でどのような文言をいれるのかも重要なことになってきます。

 示談なんて自分でできると思い、直接話をつけようとする方もいますが、事件の関係者やその親族が直接被害者と話をしたのでは、感情を損ねることもあり、まとまるものもまとまらなくなってしまいます。

 

 仮に示談ができなかったとしても、弁護人を頼み被害弁償のお金を用意して受け取りを打診することも被告人の反省等を示す上で重要なことになります。

 また、示談が成立しなかったとしても、法務局に供託を行うという方法で被害弁償を行う方法もあります。

 供託は、細かい計算等が必要であり、手続としても慣れていないと非常に面倒な手続といえます。また、新人弁護士では経験がないこともあります。

 

 

 

覚せい罪事件、薬物事件の情状弁護

 覚せい罪事件で量刑を減少させるために重要なことの一つに、再犯の可能性が無いことを示すことがあります。薬物事件は再犯が多く、薬物に親和性がある等として、再犯の可能性があると検察官から指摘されることも多いです。

 再犯の可能性が低いことを示すために重要なポイントはいくつかあります。

 まず、覚せい罪の入手経路等を供述しているかという点があります。次に 周囲の環境や親族の協力が得られるのかということも重要となります。さらに薬物依存は病気といえますから、病院に行くことやダルクに参加することができるのか。こういった点などが再犯に影響するとされているため、この点をうまく証拠にするなどして、裁判に出すことが必要になります。