領事機関に対する通報

 外国籍の方が被疑者・被告人となった場合の大きな違いは、領事機関に対する通報という制度があります。

 外国籍の方が捕まった場合に、その国籍を有している国に連絡してくれるという制度です。

 国によって対応に違いはあるようですが、経験したところの大体の国では、領事館の担当者が一度くらいは会いに来てくれるようです。

 中国人被疑者は、中国の領事館に連絡しても何もしてくれないから、領事館に通報しなくて良いという人が多い気がします。

 逆に最近担当した中では、イギリス・オーストリアの大使館の方は、連絡があるとすぐに面会に来てくれて、本国にいる親族等に連絡を頼んだら、すぐに連絡してくれているみたいです。どうしても、国選弁護人だと選任されるまで時間がかかってしまうので、先に領事館の方がきていることも多いです。 

面会について 外国人の方の場合。

 一般面会の際には、許可を得ない限り日本語を使わなくてはなりません。これは、一般面会の際に、警察官が面会に立ち会って、証拠隠滅等をしないように聞いているからです。

 神奈川県警本部の担当者の方に電話で簡単に聞いたところによると、職業として通訳等を行っている人に立ち会ってもらい、いったん同時通訳をしてもらえば、外国語を使えるそうです。通常とおり、一般面会の予約をしてもらって、通訳人の先生に一緒に行ってもらえば良く、特に事前の連絡等は必要ないそうです。

 警察署によって扱いが多少異なる可能性もあるので、担当の方に確認して面会に行かれるのが一番よいと思います。

外国人の保釈

 外国人であっても保釈は可能です。しかし、外国人の保釈率は非常に低く、手元に資料によれば、2007年の外国人の保釈率は3,9パーセントでした。

 外国人の方が、保釈をする場合、考慮しなければならないのは、在留資格の有無でやらなければならないことが変わります。

 在留資格がある場合であっても、売春防止法違反・資格外活動等が問題になっている場合など、退去強制に該当する場合、在留資格がないことになってしまいます。

 在留資格がない場合、保釈が認められても、退去強制手続が始まります。そのため、入管に収容されることになります。入管に収容された場合、釈放されるためには、仮放免を求めることになります。

 仮放免の際には、保釈保証金とは別に再度お金が必要になります。